ダイズ(だいじ)な話

~味噌づくりの取り組み~


こばと保育園では、5歳児が味噌を仕込んで卒園していきます

残った大豆で在園児たちが種を蒔き、ポットで芽が出たら親子で畑へ移植します。秋に収穫をして、祖父母参観で鞘取りをしてもらっています。12月には卒園していった一年生親子や地域の方を招いて、在園児親子と交流しながら出来立ての味噌を味わう「みそパーティー」を行っています。子どもたち、保護者の方々にも大好評で、一年を通して大豆が味噌になっていく過程を学んだり、枝豆や煮豆を味わったり、その中で生命を感じることと思います。心も身体もあたたまる取り組みになっていると自負しています。伊藤事務長曰く

「つながりがダイズ(だいじ)!!」


「種蒔き&芽出し」

新年度が始まり、引き継いだ大豆の種を植える時期が来ました。

4.5歳児が〝こばとのうえん(畑)“から運んでくれた土をポットに入れて大豆を植えます。大きい子が小さい子の面倒を見てくれる姿もあり〝大きいクラス“になったばかりではありますが、成長を感じる場面です。

芽が伸びたら、親子でお迎え時にこばとのうえんへ移植します。保護者の方々にとっては夕方の忙しい時間ですが、この大事な命を移す作業をしている時の親子の顔は、とっても幸せそうです☆

 

 



「収穫」

夏には枝豆を収穫して給食室で茹でてもらって食べます。「おいしい!」と言って食べる子どもたちと保育者(自分で育てた野菜ってやっぱり特別おいしいですよね)。保育者たちは〝良い大豆ができそうだ!“と味見しながら確かめます。

秋はいよいよ収穫。緑色に覆われていたこばとのうえんも茶色く変わります。毎年、祖父母参観で鞘取りをしてもらっていますが「もうちょっとやりたい」と祖父母の方々にも好評です。


「みそパーティー」

12月、卒園していった一年生を招いて皆で出来立ての味噌を味わう〝みそパーティー“が開かれます。

前日から在園児や保育者が飾り付けや準備をします。

当日は朝早くから保護者会有志のお父さんたちが釜で芋ごはんを炊いてくれたり、給食室や保育者たちも豚汁の準備です。


「第一部」

「第一部」は卒園児(一年生)親子と5歳児親子の交流です。「おかえり~」と一年生の出迎えで始まり、一年生の自己紹介や5歳児からの質問タイム、ピアノやギターに合わせて歌って楽しみます。最後に〝味噌オープン!!“をして出来上がった味噌を見たり匂いをかいだり。味噌は煮ている鍋の中へ投入し、豚汁のできあがり。炊き立て芋ごはんと一緒に親子でいただきます。小学校の話をしたりしながら、ゆったりまったりあたたまります。


「第二部」

「第二部」は在園児親子がやってきます。第二部は〝味噌オープン!“でスタートします。「去年のかぶと組さん(5歳児)が作った味噌ができたよ」と在園児や保護者のみんなへお披露目。目の前で味噌を鍋へ投入してもらい、豚汁の完成を見ます。その後は保育室へ入って、豚汁と芋ごはんをいただきます。保護者同士、保育者と保護者が普段なかなかできない話の交流の場にもなります。心も身体もあたたまりますように☆


「味噌仕込み」

2月には5歳児が味噌を仕込みます。毎年JA婦人部の方が教えに来てくれるので、親子で取り組みます。前日に大豆を煮て、当日はその煮豆を電動ミンサーにいれて挽くところから始めます。挽いた豆は麹を入れて混ぜ、適量を手に取り握っていきます。握れたら、空気抜きの為にバケツへ勢い良く投げ入れていきます。最後に塩で殺菌し「おいしい味噌にな~れ」と呪文を唱えて蓋をします。

「みそパーティーで食べるから、みんな来るんやに!」そう約束して会は終了です。


「おわりに」

自分たちで育てた大豆が味噌になり、種として来年に引き継がれていきます。一年を通したこの取り組みの中で、子どもも大人も様々な経験と学びをします。そして様々なことをつなげています。大豆が味噌になっていく課程、「幸せ」と共感できる大人たち、卒園していった親子が帰って来て、地域の人々が集える場所でもある。この取り組みは、こばと保育園の行事の中でも最も大切にしていることの一つです。急速に変わっていく現代の中で、変わらない〝故郷“のような存在でありたい。味噌づくりの取り組みは、そんな願いも込められています